episode 24火災訓練−いとしのSさん(1)病院という職場はなんだか「学校」のような雰囲気がした。「先生」がいるし「○○科」がいっぱい。そして火災訓練もあるのだ。学校の時のそれは自分が如何に避難するかだけど、病院では患者さんを如何に避難させるかが勝負 年に一度行われる火災訓練=避難訓練では、医師、看護師、事務員も総出で参加する。想定されるのは夜間出火。人員の少ない時間帯を想定、限られた人員で最速の避難をめざす、、、そのとき事務員の役割は、夜間事務当直 あとは医師一人と、看護師が10人程度。それで入院患者、約200名を避難させるのだ。一匹たりとも「逃げ遅れ」させないため、事務当直者は走るのだ!走る、走る・・・ 八面六臂さて事務当直者の役割ですが。出火場所の特定・確認、消防署への通報、館内放送での避難経路指示、初期消火、、、これらを手際よく、一人でこなさなければいけない 実際に訓練が行われるのは日中。避難する患者も職員が扮する。ホントの患者さんじゃないから、扱いにそれ程気を使わなくてもいい、、、患者さん役の看護師さんをシーツで梱包、、、くるんで引きずりまわすのだが 重い警報機がジリリリ・・・と鳴る。出火場所を特定、現場へ駆けつけ出火規模の確認。出火場所を考慮、避難経路を考えつつ、全館に非常放送、避難経路の指示。傍らで消防署への通報、、、再度現場へ駆け戻り初期消火、避難誘導もする ゼー・ゼー・ゼー息が切れます。病院中を縦横無尽に走り回る。冷静な判断力も求められるぞ。入院患者数の把握、「逃げ遅れ」はいないか、特に重症の患者さんの数はしっかり掴んでおかねば・・・ その年の避難訓練は新館増築による一大イベント。いつもは昼から行われる訓練も、今回は早朝出火を想定し全職員が6:00から待機。地元消防署の協力もあって高所用梯子車もやってくるという徹底ぶり。まさしく一大イベント アナタやってくれましたよ、某職員のSさん、先輩ですがね。その火災訓練で、彼は出火役を仰せつかった。人知れず出火場所に潜み、誰に知られることなくライターの火で熱感知器を作動させ・・・ ジリリリリリ・・・・けたたましい警報機の音ともに訓練は始まりました。担当職員は緊張の趣で避難訓練に挑んでいます。件の出火担当のSさんが戻ってきました、、、ん?どうした?この寒空に?震えているのか?・・・ 濡れ鼠頭の先から足の先まで、ずぶ濡れ。???あれほど注意されながら、、、 「ココに二つの探知機があります。今回作動させるのは右側です。こちらを軽くライターの火であぶってください・・・。左はスプリンクラーが作動するヤツですから絶対に触らないこと、左じゃありませんよ、左じゃ・・・くどいですが・・・左じゃありませんよ、 左じゃ!!」人間、繰り返し言われると、頭に残ってしまうものらしく。彼はきっちりと左を選びました。人間てそういうもの。アナタだって、、、イケナイと思いつつも、コンセントにヘアピンを差し込んで感電したり、鼻の穴もしくは耳の穴に「マメ」を詰めて取れなくなったり、車のシガーライーターの赤い渦を見つめているうちに触ってしまって、、、大泣きしたでしょ? 子供かよS事務長*避難訓練が終了し僕らが眼にしたものは、階段を滝のように流れ落ちるスプリンクラーの水しぶき。その日の午前は完全に水没した館内の大掃除と化しました。幸い作動エリアが新館の患者のいない建物であったのが救いでありましたが、、、スプリンクラーは正常に動作しましたことを付け加えておきます |
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