episode 25

アカハナの・・・

夕暮れ時に雨からかわった雪はいまも、しんしんと降っています。一年の内で、今日ほど雪が降るのをよろこばれる日はありません

しんしん、しんしん・・・

しんしんと、夜もふけてゆきます。明かりもすっかりおとされました。いつもは人でにぎわうこの場所も、日が暮れて、お星様が、ひとつ、ふたつ、と輝きはじめる頃にはしんと静まりかえっていました

外に目をむけると、暗いはずの夜の街はまっしろに輝いています。家々の明かりは雪の中にゆらゆらと輝いて見えますし、なんだかいつもよりずっと暖かに見えます

こんな夜に仕事だなんて・・・

時々通り過ぎるトラックはたっぷりと雪を貯えていて、これは積もりそうだなと思ったら、、、外の寒さが入り込んできた気がして、、、背中がぶるぶるっと凍えました

クリスマス・イヴの夜、仕事してるのはサンタとトナカイぐらいだヨ、なんて、笑ってみたりしてね、、、トナカイさんは今ごろこの雪の中をサンタにムチ打たれ、走ってるんだな〜僕も、一生懸命働きます

真っ赤なおハナのトナカイさんは・・・♪ いつもは笑われてる赤いハナも、今日のこの日は違います。大活躍!サンタのご主人さんに期待され、自慢の赤いハナに変わります!年に一度の晴れ舞台。朝からソワソワ、ワクワク!元気一杯

駆けつけ三杯

それは年末のあわただしさの始まり。忘年会もたけなわ、そう赤鼻のヤツラがやってくる。ベロンベロンに酔いつぶれ、大声あげて、、、

「イテ、イテテ、イテ、イテ・・・」

Yさんは自力でここまで辿り着いた酔っぱらい。何を言っているのかさっぱりわかりませんが、見ると全身擦り傷だらけ、上着もボロボロ、肘の部分が破れています。一目で交通事故とわかります。ところが相手の姿がありません。交通事故のようですが、、、加害者の姿が見えません。ひき逃げか!?とにかく、警察を呼びましたからネ・・・

でも本人は交通事故じゃない!!と、大声で叫ぶ!わめく!怒鳴る!とても診察ができる状態ではありません。なにしろ

ベロンベロン

「で、診察ですね?」と聞いても
「・・・内緒だよ。ココだけの話だけどね、警察なんかに言うなよ」
と、要領を得ません。やがて警察もやってきたのですが、それを見たYさん
「何しに来やがった!あっちいけー、ヲマエラに用は無い」
と話になりません。なにしろ

ベロンベロン

困ってしまったお巡りさん

名前を聞いても
「・・・」
お家を聞いても
「・・・」

完全黙秘

いやー、名前わかってるんですけどね、常連のYさん。警察にもその旨報告してありますよ、ただ被害者本人がこの状態ではお手上げです。なにしろ

ベロンベロン

「びっくりしたゾ!ブゥワー!!と白い車が出てきてよ、バン!と、俺は飛んだね!月まで飛んだぜ・・・」
アンタ跳ねられてんだよ
「・・・ん?警察は帰ったみたいだな?絶対に言うなよココだけの話だぞ」
あんたの後ろだよ、お巡りさんは

「・・・でよ、車からキレイな姉ちゃんが出てきてさ、、、俺は怒ったね!バカヤロー!!帰れ!!ってね」

帰すなよ

「イテイテ、、、ふん。こんなカスリ傷でくたばるYさんじゃ無いぜ!ってねカッコいいだろ、ん、イテイテ、、、赤チン貸してくれ〜、自分で塗るから」

レントゲン技師を呼び出し検査をしたら

肋骨骨折×3

赤チンで骨折は直らないヨ


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