episode 26

告知

アナタは癌と告げられたらどうしますか?

病院で一番つらいこと、それは患者さんの余命を知ってしまうことかもしれません。毎日のように通ってくる患者さんと気軽に世間話もできるようになって、まあ大概は患者さんに、いいようにあしらわれて

コノヤロ

と憤慨しつつも、その患者さんが実は「癌」だというのをボクが知っている。でも本人は知らない・・・微妙な会話しかできなくなって、バカを言ったりも出来なくなる、、、

ある日突然、受付のアンちゃんの言動が
不自然に感じられたらどうしますか?

告知については、ずいぶんと意識が高まり、皆、希望される傾向だ。実際に自分が癌であることを知っている患者さんは増えていて、医療現場では「いかに知られないか」から「どう告知するか」の技術に関心が移った

癌が不治の病でなくなったこと、早期発見、早期治療で完治も可能。そのためにも、患者さんには自分の病気にたいする正しい知識を持ってもらい、医師・看護師らと一緒に治療に専念することが必要となるからだ

ところが、告知については家族との問題が残っている。症状に関わらず、初診時には、「告知を希望するか」答えてもらうようにしているのだが、その答は以下の3通りとなる

本人が「自分は知りたいが、家族には知らせるな」
本人が「家族には知らせても、自分は知りたくない」
家族が「家族には知らせても、本人に知らせるな」
の3つ

家族が「本人に知らせても、家族には知らせるな」

と言う答えは、さすがにありません

本人&家族「どちらも知りたくない」

という選択もないです

ここで問題となるのは、本人と家族の希望が異なるとき。本人は「自分だけに知らせてほしい」と言い、家族は「本人に知らせないでほしい」という場合だ。個人を尊重するという観点から言えば、本人の意思がその基準となるが、現状では、たとえ本人が、強く「自分だけに知らせてほしい」と希望しても、そのことも含め家族にも告知されます

本人だけが知らされず回りは知っている・・・

この傾向は古くからあった。確かに死を前提とすれば本人にどれだけのプレッシャーがかかることか、また、本人の理解力の問題も残る。子供であったり、恐ろしく高齢であったり、大人であってもその事実を受け止められないと判断されたとき・・・これらの場合に最終的に判断を為すのは医師。つまり本人ではないのです、、、

なぜ癌だけが告知の問題を引き起こすのか?不治の病はもっとたくさんある。ウイルス性肝炎、エイズもか、、、これらはまず間違いなく本人に告知される。本人の正しい理解が不可欠だから?

事務員はこうした告知の問題を抱えることはないが、患者さん本人のプライバシーを守る責務がある

「○○さんをここで見かけたのだけど、どこ悪いの?」
「ウチの家内だけど、なんでここに通院してるの?」
「○○さんの近所のものだが、具合悪いのかね?」

お答えできません

がしかし、、、このケースには参った、参った・・・

ひとりの小娘16歳、腹痛、嘔吐で受診。症状がひどいので腹部レントゲンを撮ることになった。ここで医師はハタと考える、妊娠の可能性のあるものにレントゲン検査は行えません。患者は未成年、本人への問診ではあやふやな返事しか帰ってこない。そこで尿検査のついでに妊娠反応を調べた

その時、受付にその娘の母親がやってきた。当然、今治療中であることを伝え、主治医の元へと案内します。やがて母親の怒声が・・・

「勝手に、ウチの娘に妊娠検査をするとは!どういうことか、未成年者に妊娠反応なんて、常識を疑います。ちゃんとした解答をもらいたい!・・・」

口から泡をとばし怒鳴りちらす

「うちの子になんてことを!」
「親の許可無く検査するとは!」
「非常識だー!」

やがて母親は、治療拒否。結果も聞かず子供をつれて帰ってしまったが・・・

ビンゴ

ご懐妊です

 

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