episode 34

医学生純情物語(1)泣ける話

とある当直事務のバイトである「医学生」N君の物語・・・

僕がその日の当直に出勤した時のこと。受付前に、何か大声で叫んでいる患者を見つけました。かなりご立腹のご様子です。僕は・・・

おい、おい、また苦情?勘弁してよ!

と直感しました。こういう直感だけは当たる僕ですが、受付者と患者の話のに耳をそばだててみると

「たらいまわしだ!たらいまわしだ!」

との声が聞こえてきます。他の患者さんも多くいるなか、怒声をあげている、、、しかも「たらいまわし!」という言葉の連呼、その場の雰囲気に、僕は思わず気まずさを感じました

「患者様」主体

の病院をめざすこの病院に憧れ、事務当直のバイトをさせてもらっている僕には、耳を塞ぎたくなる声です

本当にそのようなことが起きているのなら、この病院に就職しようと考えている僕は、その考えを変えざるを得なくなってしまいます・・・

意を決し、患者様に声をかけてみました

「どうされましたか?僕でよければ、お話を聞かせて頂けますか?」

「あ、あんちゃん、俺のおふくろはな79歳でな、もう先は長くないんだよ・・・」

それから・・・生い立ちに始まり、若い時の話、発病、現在までの経過、そして息子さんの母親に対する思いを20分ほど、その息子さんは涙ながら話し続けました

「・・・を発病してな、○○病院に行ったんだ、そしたら数ヶ月で追い出され、新しい病院を紹介されたものの、その病院でも数ヶ月で追い出され、また新しい病院を紹介され、そこも数ヶ月後に追い出され、、、」
「それだけじゃないんだよ。それがその後4回繰り返されたんだよ」
「最後に△△苑(特養)を紹介され、はじめて!あたたかくみてもらえたんだ、、、”ヒトの温かさ”を感じたよ、、、症状が悪化しこの病院に運ばれてきたんだけど、、、」
「この病院に来て、本当に優しくしてもらった、、、ありがとう、、、もう先が長くないけど、最後の最後にうれしかったよ」

この息子さん、これまでかかった病院の態度から、病院自体に、恐怖感にも似た不信感を、強く持つようになっていたようです

「お願いだから、お願いだから、もう回さないでくれ、もうやめてくれ、回すのなら、安楽死させてやってくれ、俺のたった一人のオフクロなんだよ。今はバアサンだけど、俺を生んでくれた大切な人なんだよ・・・」

いい話じゃないですか

やっぱりこの病院にお世話なろうと、ここで決意を固めるところなのですが・・・

さて、この息子さんの、話ですがぁ、、この先、延々とぉ、ぉぉ、まだまだぁっ!続くのですがぁあ!、あ、、話を続けるうちにっ痛、やがて、僕の両肩にぃっ、手をかけ、叩きだしますぅう、、、さらにはぁ、、あっ痛!、、話すうちにぃ!い〜、極まったのかっ、あぁ・・、だんだんとぉ、ぉーっ痛、痛、、その両腕にはぁあ!!、力がこもっていきますぅーお痛っ!っ!両肩に振り下ろされるそのたびに

ドン!ドン! ドン!ドン! ドン!ドン! ドン!ドン!

今では、僕は両肩を殴られつづけているのでした

先日より、ひそかに痛みを増しはじめている「尿路結石」もちの僕には、その振動が、かなりーーーーぃ!辛く。叩かれる度に

う!・・

ドン!ドン!

うぅ!・・・

ドン!ドン!ドン!

ぅぅっお〜・・・・

ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!・・・

ぅぅっお・痛!!!!!

くっぅぅぅ、涙なくして語れません

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