episode 36

私を車椅子で連れてって(ともさんより投稿)

毎日通ってくる、元気なジジババがいるかと思えば、自力ではどうしても来院できない方々もある。肢体不自由、視覚障害、、、

ある者は年老いて、ある者は不幸な事故により
またある者は生まれながらの障害を持ち・・・

僕たち「健常者」には及びもしない「障害」が町にはあふれている。たとえば、あなたが自分の部屋から外出しようと・・・病院へ行こうとしたとする

目を閉じて無事に外へ出ることができますか?
片膝を固定して(タオル等を巻いて)階段を昇降できますか?
両膝を固定したら・・・?

様々な障害を抱え、治療を続けなければならい。病院まで出て来なければならない。その苦労は・・・障害を賦与のものとして受け入れられているなら・・・苦労でないのかもしれない

僕たち健常者にできることは・・・

さて、本題に入ります。マジな前置きが長すぎた・・・長く受付にたち、様々な人々を見てきた僕ら受付者の目に写る、、、いわゆる「障害者」と呼ばれる人達は、実に健悟であって、杖や、車椅子を、それこそ自在に扱い

駆け回る

ジジババもアル。杖で叩かれ、車椅子に跳ねられ、電動車椅子に巻き込まれそうになっても・・・受付者たるもの、いつも笑顔で「イタイ!」

今回、ともさん(晴れたらいいね)から以下の報告を頂きました

あれは、私が脳神経外科外来の受付
をしていたある日のこと・・・
起きてしまいました。あってはならないことが!

私の勤める病院は、午前が通常診察の受付時間となります。午後は「午後クリニック」のある曜日を除いては、検査のみや注射のみの患者さんだけとなり、診断書の作成も午後に行っています

その日のお昼

「障害者診断書」の予約がありました。毎年、定期的に診断書の依頼があるジジさんからです。『下肢不自由』なジジさんは、いつものように、妻のババさんに車椅子を押されやってきました

お昼、早めに来院されたジジさん。受付で少しの間、世間話をしてからDrのもとへご案内しました。午前の受付はこれで無事終了です。看護婦さんと一緒に、隣にある処置室で遅いお昼を食べ始めたのですが・・・

「えーーーーーー??」

静かな昼下がりに、診察室から響きわたるDrの声。思わず聞き耳をたててみると・・・

Dr「体調どうですか?ジジさん」
ババ「おかげさまで、アハハ」

ババが答える

Dr「んじゃ、良かったね〜。診断書作るから、簡単な質問に答えてね」
ババ「ハイよ!」

なぜかババが答える

Dr「食事は自分で食べれますか?」
ババ「やわらかいの食ってるよー」

やっぱりババが答える

Dr「ジジさんに聞いてるから、ババさん黙ってて」
ババ「ハイよ!」
・・・だから黙っててって、言ってるのに・・・
Dr「ジジさん、普段は車椅子だね」
ジジ「いや、歩ける」
Dr「そうか、良くなったねー・・・えーーーーーーーっ??」
Dr「ト、トイレは、どうしてるの?」
ジジ「ひとりで行けるぞい」
Dr「ちょっと、ジジさん、えーーーー??ほんとに?あらら・・・」
Dr「ババさんほんとなの?」

ババ「はっははは!!!」

Dr「えーーーーー??ウソでしょ?歩けるんだったら、診断書は書けないよー」

すっかり回復しているのに、『えーー!!うそでしょ?あらら・・・』もないけど・・「下肢麻痺障害」の認定を受けているジジさん。すっかり歩けるようになっていた

ババ「お金もらえなくなるから、お願いします先生・・・」

おいおい・・まじ?結局、診断書は・・・・

来年も車椅子で来るでしょう・・・。

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