episode 38

帰って来いよ

送迎バスでやって来た患者さんは、同じようにバスで帰っていく。しかし帰りのバスに間にあわないこともある。検査が長引いてしまったり、点滴に時間がかかったり、待ち時間が長かったりするからだが、そうした患者は個別に送り届けることになる。しかし、あてにならないのは彼女らの

帰巣本能

その日、帰りのバスに間に合わなかったDさん。本人の涙目にほだされ送っていくことになったのだが、送迎の運転手は皆出払っていて、手の空いている人間がいない。上司に相談したところ快く引き受けてくれたのはN事務次長だった・・・

帰ってこない

1時間、2時間・・・と時間だけが過ぎていく。やがて憔悴した顔つきで帰ってきたN次長。ちょっとドジなところもあり、かつ次長にしておくには、あまりにも人の良すぎるN次長。道に迷ったのかしらん?と尋ねてみた

「いやー、もう参った。彼女、要領を得なくて・・・」
「あそこは、結構、道がわかりにくいですからね」
「いや、いや、彼女が自分の家を解ってないんだ」
「え?」
「ヲマケに、私をこんな知らないところに連れてきて〜どうするんだ。と泣き出し始末でもう大変だった・・・」

拉致騒動

「・・・」
「同じ所をグルグル回ったんだけど、家がない。家が無くなったと、、、もう大変。結局は最初の家で良かったらしいんだけど・・・」
「え?」
「いつもはさ、バスで皆と一緒なのに、今日は特別に車で送ったから自分の降りるところが解らなかったらしい・・・」

自分の家へ病院の送迎バスでないと帰れない彼女。それだけでは済まなかった

家に入れない・・・

「その家に鍵がかかってね。彼女、鍵持ってなくてさ、家に入れないんだよ。本人は鍵なんてかけてないっていうしさ・・・」
「家族は?」
「朝から出かけて不在らしい」

密室から消えた遺体

ミステリである。まだ遺体じゃないが、、、でもどうやって鍵のかかった家から彼女は出て来たのか、、、二人で家の回りをグルグルと回ったらしいのだが、どこも開いてない。困り果てたところに

「あのーウチに何か用でしょうか?」

と家の人が帰ってきた。ホッとしたN次長、コレコレの理由でお婆ちゃんを送って来たんだと説明するも、なんだか怪訝そうな眼で見られている

「ウチに年寄りはいませんが・・・」

他人の家かよ!

結局は、その人が結構親切な人で

隣町の

彼女の家を見つけてくれました

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