episode 70糸をひくもの糸をひくもの 腰の曲がった老婆が、ヒタ、ヒタ、ヒタ、ヒタと歩み寄ってきて、 口に咥えた診察券をぺっ!とカウンタの上に吐き出す様。さて糸が引いてた角はどちらであったのかと思慮深げにのばす手 いと!おかしお札を数える時。たっぷりと指を舐めるババ。1枚、2枚、舐める、さらに1枚、2枚、また舐める。数え終わったかと思うと、もう一度舐め返してから、こちらに差し出す様 さてどちらの側を、その指で数えたのか・・・右か左か・・・もはや均等に舐め尽くされたお札の縮こまりよう いと!おかし950円ちょうどですねと、目皿に出された硬貨を手にとると、なんだか暖かい。一体いつから握り混んでいたのかと考えゆくうちに、100円玉同士がくっついているのを発見。一枚はすっかり黒ずみ十円玉と見分けがつかないこと いと!おかしお薬を届けに行った在宅患者の家。お礼にと、今朝、捕れたものよと、スーパーの袋に投げ込まれた青魚。せめて口は縛ってほしいのだが、袋の外も魚の鱗が散乱している様 いと!おかし訪れるたびに、かならず飲めと進められる自家製野菜ジュース。さて何のジュースかと口にすれば、青汁よりもさらに強烈な刺激臭!毎回、こうもまず作るにはどう野菜を組み合わせるのか、笑顔で首をかしげる様 いと!おかし訪問の宅の、奥の部屋へと続く妙に湿っぽい廊下。進みゆく足が妙に粘っこい。明るい所に出て、見ると、どこで踏んだのか靴下にへばりつくのはウ○コと笑って話すT医師。それを一度ならずも二度三度と、同じ地雷を踏み帰ってくることこそ いと!おかし診察券を預かりながら、今日はどうされましたか?と訪ねると、右手の人差し指をピンとたて、鼻に思い切り突っ込み「コレ」というジジ。「ああ耳鼻科ですね」と、臆すことなく笑顔で応対してしまう自分こそあわれ。その鼻から抜き去られた指で、こちらの手から診察券ををもぎ取ろうとするジジ。また電光石火の笑顔で反対の手に無理矢理診察券を押し込む私! いと!おかしあんたさん飴でも舐められと、カバンの中から取り出したポンカン飴、外のセロハンはなくオブラートに包まれるまま。さすがに口に入れるのも憚られ、躊躇している間に、これも食べられと、花紙の中から取り出された都昆布、これも箱はどこにいったのか・・・ いと!御菓子 |
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