episode 75

岬めぐりの〜バスは走る〜

バスの送迎で、診察や検査等が長引いてしまい、帰りのバスに乗り遅れた人は個別自宅まで送り届けます。慌てることなく安心して受診できるようにという配慮ですが、今日は一段と乗り遅れの方が多い日でした

最近は風邪の流行とあいまって外来は混雑しがち、おまけに水曜日は検査も集中します。どうしても乗り遅れの患者さんが出てしまうのですが、まあ病院の巡回バスで来ていただいた方は、やはりちゃんと送り届けるのが筋とうもの

送迎バスの運転手さんたちも、毎日バスを走らせるうちに、多くの患者さんと気心が知れています。誰をドコまで送り届けるかも、すっかり頭に入ってる様子。いやな顔一つせずに送り届けてくれます

Sさん♂88歳はいつも家族に送り迎えをしてもらっている患者さん。血圧、心臓の疾患で定期受診されています。先生の言うことをよく聞く模範的な患者さん。そのせいか?症状はいたって安定していて、通院も診察と定期処方でだいたい済みます。いつも午前10時過ぎには帰って行く

今日は風邪をひいてしまったらしく、点滴が長引いていつもの時間に帰れず、結局お昼も過ぎた2時ごろに終わられました。困ったことに家族と連絡が取れず、、、さてどうやって帰るのかと・・・

そこへ通りすがりのHさん♀79歳。このババ今日はバスに乗り遅れ、午後から運転手が自宅まで送り届けることになっていたのですが、どうもSさんの近所のかたらしく、ならアンタも一緒に帰るかということに・・・

Hさんは常連中の常連。バスの運転手さんも自宅を良く知っています。が、Sさんはいつもは家族が送り迎えしているので、バスの運転手さんは、Sさんの自宅は知りません。運転手さんがSさんに自宅の場所を聞いても要領を得ない様子・・・そこでHさんが言うことには「私んちのすぐ近くだから、私が案内するよ・・・」ということで一緒にバスで帰ってもらいました。さて、さて、、

近所というのは・・・

田んぼ数十枚挟んだ隣り村。Hさん曰く・・・

今日は、隣村があるところにない!おっかしい〜

そうかと思えばそのバスにはN婆さん86歳も同乗していました

ワタシ今日、マッサージ行かんなラン!

   (私、今日マッサージを受けに行かなければならない)

と、優しい運転手さんは、また別の町まで送り届けたそうで・・・
「ありがとう」と頭を下げつつ、Nさん
降り際に言うことにゃ、マッサージ終わったら

迎えに来てほしい・・・

バスはタクシーじゃない

 

BACK MENU NEXT