episode 78

解決ゾロ!!

最近の風潮。僕たち医療に携わる者にはずいぶんと冷たい。やれ医療事故だ、また不正があっただと、連日のように新聞やTVで取り沙汰され

医療不信

の目で見られる。実際にあった事、つまりは不祥事なのだからしかたないのだが、新聞の片隅にそんな記事を見つけると、「またか!」と思わず首を竦めたくなる。正直、一部の不届き者のせいとはいえ、申し訳なく思います、本当に・・・

申しわけありません

医療事務員は、病院という高度に分業化された職場で、唯一の「非」専門職といってよい。医療事務員にも専門性が全く無いわけではないが、医療の「専門的」知識とは別のものさしが仕事の基準。ややもすると医師や看護師と衝突することも多い、、、医療事務員はどちらかといえば患者に近しいところにあって、患者さんの気持ちは分かるつもりだ

医療知識からの判断が、必ずしも患者やその家族に理解を得られるわけではない。高度に専門的な知識・技術について、その専門知識を持ち合わせていない者に対して、理解できる形で説明するのは大変なことだ。まして、限られた時間内では、、、

しかたがない

と患者の理解をある程度、切り捨ててきたのがこれまでの医療だったかもしれない。患者の側にも、「私の体は、命は、すべて任せてあります」と医師の側に、全面的に委ねるといった風潮も多かったろう。ある限界を前提に十分な相互理解を図らないままきてしまったのだから、騒がれてもしかたがない

まだ、新聞やニュース等で取り扱われる分はいい。それがTVのバラエティ番組などで「信じられない!医療現場の実態」とかタイトルがついてて、さらには・・・

現代の赤ひげはどこに?医は仁術ではなく算術!その華麗なる算盤さばき、アナタの懐も狙われている〜白衣の影に消えた美女・・・

なんてサブタイトルがつくともういけない、人を煽るだけ煽っておきながら、しかし結末はぼかされて・・・何?何なの??で終わってしまうのだ。ただ残るのは「数々の不正の手口」だったり「治療を離れた裏話」の数々の暴露

多くの医療機関が、全部そうであるなんて思ってくれるな。TV番組で、長文のキャッチタイトルがつく番組は、その番組の質を現してるコトは分かっているんだから、
だけど見てしまう。そして、ちょい昔のアイドル女子や、お笑い系男子、そしてスーパー天然系女子キャラがボケをかましつつ

えーー!

うそーーー!!

ワタシ、だまされてたんですか〜

と、「知らなかった」ことを「騙された」という言葉に置き換え煽りつづける。確かに事細かく説明しているワケじゃないので、その点を指摘されると返す言葉はないのだが、 かといって、治療の段階で・・・

「その包帯いくらですか? 」
「その傷の消毒、水道水で」
「そのレントゲンのフィルム、Lサイズフチなしで」

とか云われても困るのだ。本当に必要なモノ、そうでないモノをギリギリの線で判断するよりは、最善の治療を目指すのが医師の信条。手を抜かない治療を心がけてるだけなのだから・・・タブン

ぽんぽんぽんぽぽぽん♪・・・退治てくれよう桃太郎!

高橋なんだかが薬袋から顔を出し、医療費をやすくする方法をお教えします!なんていいやがる。このTVCMを見たときに、一瞬、アレかと思ったぞ

お兄さん、お兄さん、いい娘いますよ、ちょっ寄って・・・

そう云われて、寄った店にいい娘がいた試しがないし、○○○○円ポッキリで済んだことがない、、、と

他人から聞きました

ある日のこと。あるじいさんが怒鳴り込んでやってきた!

「オメーらのやってる事はスリっとマルっとお見通しよぉ!」

毎回、云われるままに、だまってお金を払ってきたが、もう好き勝手にはさせん。テメーらのからくりは全部知ってるんだゼ、ふぁふぁふぁ!といつの間にか凄い剣幕から高笑いにかわっている。 俺の薬、、、全部! マルっと

ゼネラル

に変えてくれー、だそうで???あ、『ジェネリック』のことね、と気付いた薬剤師が、そそくさと彼の処方を調べに行った。『ジェネリック』僕らは昔から『ゾロ』と呼んでいたヤツ。同効薬とも云われ、多くは大手メーカーが研究開発し発売した薬品の特許が切れた後に、中小医薬品メーカーから

ゾロゾロと

同効薬品が作られるからそう呼ばれ、従来はマイナスイメージが強かったので『ジェネリック』と名を変えた薬(正確にはゾロとジェネリックは違うらしい)

さてさて・・・この方のお薬はと、調べてみた薬剤師。片方の目をわずかに細め、軽くあごを上げつつ、人差し指を突きつけ(るわけがない)

「おまえはすでに済んでいる」

あぎゃぶひゃややや・・・

 

附記:何年も前から、当院では、ほとんんどゾロに切り替えた。ブランド品にしてくれと言われることはあまりない。これも昨今の風潮だろう、果たして、安くて同効果か否か、不都合は全く無いといえるのか・・・
これらも含め「スリっとマルっと」本人の選択に任せられるコトになったということである。医師は選択肢を提供するだけ、ご自分でご判断下さいということ。「新しい医師像」が出来上がりつつあるように思います。ホントにソレでいいのかなぁ・・・
最後に、『ジェネリック』ですが薬局からの照会も多いです。「コレなんですか?」と問い合わせがあるのだ。現状では『ジェネリック』はまだ取り扱いも低く、薬局さんが常備している率も低い傾向にあるようですよ・・・なにより大声で確認するのが恥ずかしいような、ネーミングどうにかならんのか!「adidos」とか「CHANNEL」みたいな・・・

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